2013-10- / 09-<< 12345678910111213141516171819202122232425262728293031>>11-

2013.10.31 (Thu)

ヨリックのレコード散歩 009 グレゴリオ聖歌集第1巻

グレゴリオ聖歌を続けます。
グレゴリオ聖歌・ミュンヘンカペラ・アンティカ

レコードは MPS ULX-3186~7-P

演奏がミュンヘンの

 カペラ・アンティカ聖歌隊
Capella Antiqua Munchen

指揮 コンラート ルーラント
  Konrad Ruhland

このレコードは2枚組で、
1枚目に待降節と生誕節、
2枚目に聖母マリアの祝日、他、

の固有文の聖歌が入っています。


前回が復活祭の殆ど全文だったので、これで主要なグレゴリオ聖歌の概要がわかります。
つまりクリスマスとイースターと、キリストを生んだ聖処女マリア様さま関連の祝日が出そろったのですから。

このレコードの内容です。
1枚目A面
1. 待降節第4主日のミサ:Introitus(入祭唱)天よ、上より雫をしたたらせよ
2. 待降節第4主日のミサ:Offertorium(奉献唱)アヴェ・マリア(めでたし・マリア)
3. 待降節第4主日のミサ:Communio(聖体拝領唱)見よ、乙女は御子を宿し
4. 降誕の祝日:Hymnus(讃歌)ききたまへ、イスラエルを治めたもう者
5. 12月17日:O-Antiphona(交唱)おお、英知よ
6. 12月23日:O-Antiphona(交唱)おお、エマヌエルよ
7. 降誕の祝日の朝課:第1朗読(イザヤ書第9章)主よ、聴く者のために
8. 公現の祝日のミサ:Introitus(入祭唱)見よ、王なる主が来たりたまへり
9. 公現の祝日のミサ:Graduale(昇階唱)すべての者はサバより来たらん
10. 公現の祝日のミサ:Offertorium(奉献唱)タルシスと島々の王たちは
11. 公現の祝日のミサ:Communio(聖体拝領唱)われら東で彼の星を見

1枚目B面
1. 降誕の祝日の第3ミサ:Introitus(入祭唱)おさな子われらに生まれ
2. 降誕の祝日の第3ミサ:Graduale(昇階唱)地上のすべての国々は
3. 降誕の祝日の第3ミサ:Alleluia(アレルヤ唱)アレルヤ、アレルヤ
4. 降誕の祝日のミサ:Sequentia(続唱)信者の合唱、喜びもて高まらんことを
5. 降誕の祝日の第3ミサ:Offertorium(奉献唱)天と地は御身にあり
6. 降誕の祝日の第3ミサ:Communio(聖体拝領唱)地上のすべての国々は:詩篇97

初めてこのレコードを聴いたときとても驚きました。
前回の、ボイロン大修道院のレコードとは大違いの音が聞こえたのでした。
ボイロン大修道院のは、荘重、厳粛、といった趣でしたが、このレコードのカペラ・アンティカの演奏は、綺麗な声で滑らかに歌っているのです。ワタクシの耳は長い間ソレーム式厳格な歌い方のものに慣らされてきて、グレゴリオ聖歌というものに固定観念を植えつけられてきたと言えるでしょう。また、グレゴリオ聖歌は単旋律で、ハーモニーのないものだと長い間思い込んでいたのでしたが、所々に二つの声部が異なる旋律を歌うポリフォニーの歌に遭遇したのでした。
聖誕祭・入祭唱

ジャケットの絵、左の絵を拡大しましょう。
この楽譜は、1枚目のレコードB面最初の、降誕の祝日の第3ミサの冒頭、入祭唱の部分です。

歌詞は、Puer natus est nobis et filius datus est nobis:……おさな子われらに生まれ、み子われらに与えられぬ。……の部分ですが、一番頭の大文字のPの中には真ん中のベッドに聖母マリアが、そして左下のちょっと小さいベッドには生まれたばかりのキリストが描かれています。こういうふうに見ていると、昔の楽譜はよく出来ているものだなぁ、と思います。ついでのことに、真ん中の絵を拡大してみます。
復活祭・入祭唱

この楽譜の音楽はこのレコードには入っていないのですが、前回の復活祭日最初の曲、入祭唱の冒頭の部分です。
歌詞は、Resurrexi, et adhuc tecum sum, alleluia:  我よみがえりて
なお汝と共に居るなり、アレルヤ:

一番頭の大文字Rの上の段にはキリストの復活が、下の段には復活の翌朝マグダラのマリアの前にキリストが現れた所が描かれているのです。
この楽譜は、前回のはじめの方に印刷楽譜、大文字Rで始まる楽譜と同じなんですが、4線のドの位置、Cの位置が前回楽譜では一番上の線で、今回の楽譜では上から2番目の線のところにあります。書き方が違うだけで旋律は全く同じです。
印刷楽譜よりこっちの方が綺麗ですね。

2枚目A面
1. 聖霊降臨後の四季の金曜日のミサ:Introitus(入祭唱)
               わが口、御身の賛美に満たされんことを
2. 聖母マリアのためのアンティフォナ:神の聖なるみ母
3. 聖母マリアへのお告げの祝日のミサ:Sequentia(続唱)主はこの乙女に
4. 聖母マリアのためのアンティフォナ:うるわしき救い主のみ母
5. 聖母マリアのためのアンティフォナ:めでたし天の女王
6. 聖母マリアのためのアンティフォナ:天の女王、喜びませ、アレルヤ
7. 聖母マリアのためのアンティフォナ:めでたし女王、あわれみ深きみ母
8. 聖母マリア被昇天の祝日のミサ:Introitis(入祭唱)
               すべての者よ、主に向かいて喜ばん
9. 聖母マリアのための祝日の晩課:Hymnus(讃歌)めでたし、海の星

2枚目B面
1.  インヴィタトリウム:Invitatorium(招きの讃歌)
               われら来たりて、主に喜びの声をあげん
2. 冬の讃歌:Hymnus(讃歌)すべての者の永遠の造り主
3. 月曜日の晩課:小レスポンソリウム(小応唱)われ主をたたえん
4. アンティフォナ(交唱)生涯の真ん中で および 
     終課におけるシメオンのカンティクム 主よ,今こそ御身のしもべを
5. 死者のためのミサ:Introitus(入祭唱)主よ、永遠の安息を
6. 聖アンブロシウスの讃歌:Te Deum われら神なる御身をたたえ、
     (大祝日における感謝の歌、朝課の典礼の締めくくり)

このレコード2枚目はキリストの生涯を記念する祝日とは別の祝日のための聖歌が集められていて、A面は主に聖母マリアのために歌われるもの、B面は聖務日課で歌われるもの、となっているようです。
聖母マリアに聖霊降臨

ジャケットの絵、是は一番右の絵を拡大したものです。
大文字Sの中の下の方に聖母マリアと使徒たちが並んでいて、聖霊が降ってくる所が描かれているようです。


このレコード、最初のうちはとても美しく滑らかに音が流れるので聴いていて気持ちがよかったのですが次第にこれは宗教音楽ではない!と思うようになりました。
ミュンヘン・カペラ・アンティカ聖歌隊は中世、ルネサンス時代の音楽を歌う男声12~3人ほどの合唱団のようです。だが聴いていると全く一分の隙もなく、まるで一人の人間が豊かな声で厚みのある多様な音色で歌っているように聞こえるのです。
美しい旋律を淡々と歌っている。キリストが生まれても磔になっても墓の中から蘇っても唯それだけのこと、と言うふうに聞こえてくるのでした。
お終いの方の死者ミサ(2枚目B面5.)、入祭唱の歌詞、主よ、永遠の安息を彼らに与え、絶えざる光を彼らの上に照らし玉へ、で始まる音楽は、聴いている人に、死者に対する追悼と供養の心が伝わるように歌うのが本当なのではないかな、と思うのでした。
スポンサーサイト
15:44  |  藝術  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑
 | BLOGTOP |  NEXT>>