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2018.04.01 (Sun)

金澤の食べ物 春02 ごり

金澤を代表する食べ物のひとつが、「ごり料理」。
ごりをとる犀川
市内を流れる犀川、浅野川でいまでも多少は鮴(ごり)という魚が取れる。

左の写真は犀川。ごりを捕っているところ。
見えている橋は櫻橋。
この橋の右の方は金澤市街中心部の方、本多町から兼六園の方に通ずる道で、橋を渡って左の方はダブリュ坂を上がって寺町になります。

W坂

ワタクシの通った高校は寺町台にあったのと、ワタクシの家は本多町に近い下主馬町という場所なので、学校への往復はこの橋か上流にある下菊橋のどちらかを通りました。ダブリュ坂はWを横に倒したような石段の坂です。
この坂を登り切って真っ直ぐ行くと突き当たりが寺町。
その名の通り両側には大きなお寺がズラッと並んでいます。

その間に戸水屋というお饅頭屋がありました。
五色生菓子日月山海里



そのお店で売っていた「五色生菓子」。
この生菓子は、天地自然の姿を現したものと言われております。
左から、【日・月・山・海・里】と名前がついている。



日 : アンコの入った白い丸餅の一端を紅色のいり粉(米の粉)で半円にまぶして日の出を現す。
月 : 白いお饅頭に黒ごまをちょっとだけくっつけて月面を行雁(ゆくかり)の意を表す。
山 : 山の幸である毬栗(いがぐり)で、餅一面にまぶされた「いがら」はクチナシで黄色に染めた米粒。
海 : は菱形に調えた餡餅で、海の波の重なりを見せています。
里 : 村里に拡がる水田の土の色を表現した蒸し羊羹だが、角をおとして縁起よく丸く仕上げました。
五色生菓子蒸籠
門前に積み上げられている蒸籠の中味はこの五色生菓子です。
このお家では今日お嫁さんを迎えるのです。
嫁いできたお嫁さんは、お姑さんに手を引かれてご近所に挨拶回りをするのですが、その時にこのお菓子を縮緬の袱紗をかけた蒔絵の重箱に入れて持参するのです。


五色生菓子重箱
この風習の始まりは、慶長五年(1600)、前田家三代の利常に、江戸幕府三代将軍家光の娘珠姫がお輿入れの折のことと伝わります。この時の利常チャンは5歳、珠姫チャンは3歳。カワイイ盛りの結婚式です(珠姫についてはいずれまた登場して頂くつもりです)。前田家としては徳川将軍の娘を嫁にもらうのだからずいぶん気を配りました。菓子司樫田吉藏に命じてお菓子を作らせたのです。この時吉藏は特に容器を吟味して、塗り物の五重の容器に納めて奉納したのがことのほか喜ばれて、以来、加賀の生菓子として武家町人のへだてなく慶事のお菓子として用いられるようになったのでした。
このお菓子は、ワタクシの家のあった犀川寄りの家では戸水屋で誂えましたが、浅野川寄りのお宅では越山というお饅頭屋に注文しました。
金澤では昔から住んでいる場所によってお買い物をするお店は決まっていたようで、ワタクシの家ではお茶は野田屋、お肉は天狗というお店、と決まっていて、子供の時にお買い物に行かされたことを覚えております。

ごり料理の話をするつもりで犀川、櫻橋の写真からずいぶんそれてしまいました。
ごりの唐揚げ佃煮ごり汁
櫻橋を渡ってダブリュ坂を上がる手前の右に「ごり屋」という料理屋がありました(このお店はかなり早くになくなりました)し、浅野川方面では天神橋のもう一つ上流の常盤橋のたもとに「ごり屋」があって、こちらは今でも営業しているはずです。
右の写真、手前左から佃煮、唐揚げ、汁。
これは自宅で作る場合のごり料理です。
最後に簡単にレシピを書きましょう。

ごり屋でお食事をしましょうか。
ごり屋お座敷
ごり屋のお座敷です。

ごり屋骨酒


まず、ごり酒。


このお魚は鰍(カジカ)に属する小魚で、せいぜい7~8cmほどの小魚です。
最近、デパートや土産物店で「ゴリの佃煮」という物を売っていますが、あれは(殆どの場合)偽物で、ハゼ科の小魚を佃煮にしたものです。本物の鮴ではありません。本物は写真のお酒の中に浮いているお魚です。お目にかかるには多少お金がはりますが、ごり屋のお座敷に上がるしかないようです。
誰かが「室生犀星の、ゴリのように三角に尖った顔」と書いていた。たいそう失礼な言い方だが、それを読んでからというもの、ワタクシはゴリという文字を見ると犀星の顔を、室生犀星という文字を見るとゴリの三角に尖った顔が目に浮かぶ。

昔は町内会などでみんなで川へ入ってゴリを捕って、河原で大きな鍋でゴリ汁を作ったり天麩羅を揚げたりして、大人たちは酒盛りをしていたらしいのですが、ワタクシが物心ついた頃にはもうそんな事をやっている情況ではなかった。南京陥落祝賀提灯行列、紀元二千六百年奉祝花火大会、それからあとは御存知戦争一色。

ごり屋では九谷のお皿や輪島塗のお椀で出てきます。
ごり屋酢の物

酢の物

ごり屋洗い

洗い


ごり屋唐揚げ

唐揚げ





ごり屋柳川鍋

柳川鍋




ごり屋ごり汁
ごり汁

ごり屋佃煮とばい貝








ごりとばい貝の佃煮。


レシピです。

ごり汁。 ①小さめのゴリに塩を振ってもんで(ぬめりを取るようにして)水洗いをします。
②細い牛蒡を細く笹がきにして水にさらしてアクを抜いておきます。
③昆布だしを煮立てておいて①を入れ、酒と白味噌を入れてゆっくり煮ながら、仕上げに②を放して歯切れのいいところで食べます。

唐揚げ。 ①生きている大きめのゴリをよく水洗いして布巾で水気を取っておきます。
②小麦粉をガーゼに包んで①に軽く振りかけ、170℃ほどの揚げ油でカラリと揚げ食塩を振りかけます。生きたゴリでないと鰭や尻尾が形よく拡がらないので注意して下さい。

佃煮は省略します。
魚屋で生きのいいゴリを見つけた主婦は、「今日は生きのいいゴリおったわね」と喜んで大きいのは唐揚げ、小さいのはごり汁、そして佃煮を作って東京にいる娘に送ってやるのです。
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