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2018.04.05 (Thu)

泉光院の足跡 297 玉虫厨子

法隆寺には聖徳太子由来の宝物がたくさんあります。
法隆寺聖霊院
初めて行った時は左の写真、聖霊院の建物の前を通って宝物館へ入ったのでした。
その後大寶藏院という新しい建物ができて主な寶物はみんなそこへ納められて展示されるようになりました。
一時期、奈良国立博物館に百済觀音が展示されていた時がありましたが、それは大寶藏院が出来てそこへ百済觀音を納めるまでの一時的なことだったようです。
新しくできた大寶藏院へ入ってみましょう。
右が新築間もない頃の大寶藏院。
法隆寺大寶藏院外観
入口から時計回りに、金堂壁画(模写)、夢違觀音、玉虫厨子、正面奥に百済觀音。次に橘夫人鮨、百万塔といったものがあり、金銅佛や塑像、絵画、刀剣、染織、といったこまごまとしたものも同時に見ることが出来るようになっている。
さすが國寶・名寶ぞろいです。
法隆寺夢違観音

夢違觀音という謎めいた名前の觀音菩薩立像。
7世紀頃に作られたらしいこの優しい顔立ちから、悪夢を善夢に変えて下さる、という信仰が生まれたらしく、この佛像が立っている蓮華座(足の下の土台)は元禄七年(1694)に江戸の太子講の人々がこの像のために作って奉納したのだが、その頃には夢に関して霊験のあることが知られていて、「夢違觀音」の名前が付けられていたということです。

右は玉虫厨子。法隆寺玉虫厨子

金銅飾り金具の下に玉虫の羽を貼りつけて飾ってあるので玉虫厨子というのだが殆ど剥落しているようだ。
内側の右側面には「捨身飼虎圖」、左側面には「施身問偈」という図が描かれている。
両方とも「本生図」。、すなわち釋迦の前世における善行の物語です。

法隆寺玉虫厨子捨身飼虎図
左は捨身飼虎圖。
マカサッタ王子が2人の兄とともに山中に狩りに出かけ、7匹の仔を生んで親子共々餓死しかかっている虎に出会う。これを見た王子はこの虎を救おうと決意して、恐怖する兄たちを帰し、この絵の一番上に書かれているのは、自ら高所に登って着物を脱いで木の枝に掛け、真ん中の絵の所で虎の前に飛び降りている場面、そうして一番下の絵では、飢えた虎に食われている場面。この時天地は王子の行いに感動して鳴動賛嘆し、この王子は後に生まれかわってお釋迦さまになるという説話。

「施身問偈」という説話は、雪山(ヒマラヤ)で修行をしていたバラモン僧が、あるとき山中で怖ろしい姿の羅刹に出会ったのだが、「諸行無常、是生滅法」の二句を唱えるのを聞いて、残りを是非聞きたいと願う。それを聞いたらお前は死ぬぞと羅刹に言われるのだが、もし聞くことが出来れば命は惜しくない、といい、残りの二句、「生滅滅已、寂滅為楽」を聞いて岩に書き付けて、こうしておけば後世の誰かが知るだろうと言って羅刹に命を与えようと崖の上から飛び降りる。所が実はこの羅刹は帝釈天であって、そのバラモンは釋迦の前世であった、というのです。
弘法大師はこの句をわかりやすいように、「いろはにほへとちりぬるを わかよたれそつねならむ うゐのおくやかけふこえて あさきゆめみしえひもせす」と日本語に訳した、ということになっています。

法隆寺橘夫人厨子
右は橘夫人厨子。
橘夫人ってどんな人だか知らないのですが(光明皇后の母だともいわれている橘三千代?)、この厨子を寄進した人だそうです。
法隆寺橘夫人厨子菩薩像
扉には実物は殆ど見えないらしいのだが、右のような觀音と勢至(だと思う)の2菩薩像が描かれています。
厨子の中には橘夫人の年持佛と伝えられている阿彌陀如來と兩脇侍が納められています。当時の最高技術を駆使した品物のようです。

いよいよ百済觀音の名前で知られている觀音菩薩立像です。

この像は大寶藏院の一番奥の中央に立っていらっしゃいます。
法隆寺百済観音三態
百済觀音三態です。

この像はしばらくフランスはパリで展示されていて、1995年に帰国してからも大寶藏院が出来るまでの間奈良国立博物館で展示してありました。
博物館正面入口を入って真ん中の広間にガラスケースに収まっていたので、このようにいろんな方向から見ることが出来ました。
その時のことを思い出したので三態の写真をまず載せておきます。

普段薄暗いお寺の中でしか見ることの出来ない佛像と違って、明るい会場で、身体の隅々まであらわになった佛像を見るのはちょっと気恥ずかしい気持ちでありました。

もう少しこの佛像の像を載せておきましょう。
法隆寺百済観音全身正面
法隆寺百済観音お顔法隆寺百済観音水瓶を持つ手

水瓶を持つ手、
お顔、
正面全身像です。


飛鳥時代に作られた像です。乾漆がかなり剥落しているのだがお顔の輪郭や水瓶を持つ指先の柔らかで優美な曲線は美しいですねぇ。
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