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2018.06.22 (Fri)

泉光院の足跡 313 春日奥山

ワタクシはずっと長い間日本の「神様」というのが嫌いだった。神社へ行ってもお詣りをするとか柏手を打つとか、そういった儀礼はできるだけ避けていた。これはきっと小学生の6年生の時に戦争に負けて、それまで毎日、日本は神国であって、いまに神風が吹いて鬼畜米英は残らず海の藻屑と消え去って、日本の勝利疑いなし!と言われ続け、登校するとき「奉安殿(中には天皇陛下の御真影=写真が入っているらしい)」に敬礼をする毎日だったのだが、揚句に昭和20年8月15日の敗戦宣言で、学校の先生は…これからは民主主義の世の中になる…と児童を教え諭したのだった。
だから奈良へ来ても春日大社へは70歳を過ぎてから初めて来たのであって、 それも境内へ入って燈籠のいっぱい並んでいる参道を進んで、門のところまで来たのだが、結局はこの程度の写真しか写さなかった。春日大社門前の燈籠
この神社は平城遷都の時に藤原氏の氏神として創建したことになっているのだが、社伝によると、常陸國(茨城県)の鹿島神宮から武甕槌命(タケミカヅチ)が白鹿に乗ってやってきたのが始まりで、その時から奈良公園の鹿は神鹿として保護されるようになったのだと言います。その後下總國(千葉県)の香取神宮から経津主神(フツヌシ)、河内國(大阪府)枚岡神社から天児屋根神(アメノコヤネ)・比売神(ヒメ)を併せて祀り、藤原氏の勢力拡大と共に今のような大社になった。そして神佛習合の思想で興福寺の佛が本地であって、その垂迹が春日の神様だとして、中世には興福寺が春日大社の実質的管理をするようになった。明治になって、先に書いたように廃佛棄釋で興福寺はすっかり寂れて、こっちの方は「官幣大社」、つまり国の税金で賄いをする最高の神社、という地位になった。
春日大社参道燈籠
ワタクシは門の中までは入らなかったので詳しいことは判らないのだが、上に書いた四神の入る社殿が四つ並んでいて、その他にも沢山の神様たちの入る場所があるらしい。
それにしても沢山の燈籠と吊燈籠がある神社で、この燈籠の数を数えた人は長者になるという言い伝えがあって、『1953年版岩波写真文庫・奈良…東部』によると、一好事家が数えた所では1780基だった由。その後も寄進があっただろうからもっと増えているかも知れない。
左は一の鳥居から二の鳥居にかけての参道を埋めている燈籠。数を数えるのは困難です。
ささやきの小径

二の鳥居の手前から右の方に入る小径が今は「ささやきの小径」という変な名前になっていて、アセビの木が生い茂っている静かで気持ちのいい散歩道です。だが新刊の奈良ガイドブックにこのように書いてあった。
…春日大社から、ささやきの小道を抜けると、志賀直哉旧居に出る。この道はちょっとさみしいので、女性の一人歩きは避けたい…
何と言うことだ。世の中ずいぶん悪くなってしまったものだ。妙齢の女性は強力なボディガードと一緒に歩いて下さい。
志賀直哉旧居門

左は志賀直哉旧居の玄関。

珈琲を飲むときは志賀直哉旧居の隣にある「たかばたけ茶論」というお店にしましょう。志賀直哉がここに住んでいた頃、文化人と称する人たちが集まったという「高畑サロン」の復活を願う人が開いたというコーヒー屋です。高畑というのはここの地名です。


志賀直哉旧居の前に、日吉館廃業以降のワタクシの定宿になったのが左の「御蓋莊」。
御蓋莊入口御蓋莊庭園

右がその庭園。
このお庭から春日大社境内、春日奥山まで一続きになっている豪壮なお庭です。宿屋の庭園としては最高クラスでしょう。御蓋莊茶粥
朝はこのお庭の見えるお部屋で茶粥(右)をいただくのも風情があります。
宿賃は安いのですが料理は大したことはありませんので、美味しいものを食べたいときは春日大社一の鳥居の前にある菊水樓ホテルあたりで食べることをおすすめします。着物を着た仲居さんが一鉢ずつ持ってきますので、ゆったりとした気分で「お食事」を楽しむことが出来ます。コーヒーは御蓋莊のロビーで無料で何杯でも飲めるのだが、タダだと飲む方の心構えがそれ相応になってしまうのでいけません。

御蓋莊と志賀直哉旧居の間の道は柳生街道で、春日奥山の自然林に中へ入っています。このあたりから圓城寺、浄瑠璃寺・岩船寺の当尾(とうのお)、京都との境の笠置山へと続く山林は石佛の宝庫でして、磨りへった石佛や磨崖佛を見ることが出来るのですが、あまり遠くまで行くと草臥れるので入口ちょっとだけ。
春日奥山石佛地図

左に載せたのは「石佛地図」。
左下の方、石畳の道から入っていきます。


春日奥山石畳道
左、石畳道。

寝佛、夕日観音、朝日観音、首切地藏、春日山石窟佛、地獄谷石窟佛、といった順で、ここまで来ると自動車専用のドライブウエイにぶつかるのでそこまでで引き返します。
いくつかを見ておきましょう。
春日奥山夕日観音

まず夕日観音。(右)
西向きに立っているので夕方になるとお顔が明るくなるようだ。




春日奥山首切地藏

左が首切地藏で、

右が朝日観音。

春日奥山朝日観音



全部は紹介しきれないのでこのへんにしておきます。右が春日奥山風景。春日奥山風景

この石畳道をずっと歩けば圓城寺から柳生へ、そして京都笠置山へと続きます。

若草山


ドライブウエイに出たら右の方に向かって行けば若草山の頂上(左)へ出ます。春日奥山とは違った明るい風景。
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